「賄い…?」
「あぁ。従業員にふるまう、まぁ…残りもん料理?みたいな。
それが庶民の味っつぅか、おふくろの味っつぅか…何か心に沁みるもんがあったらしいぜ?
まぁそれからもヨウは頑張って働いて、大分慣れてきたらミスも減ったし、お姉さんに褒められるまでに成長したらしい。
『まだまだだけどね~?』なんて言いながら笑ってくれるお姉さんがすげぇ可愛くて……ヨウは恋に落ちた。
遅れてきた初恋を絶対実らしたくて、お姉さんの特別になりたくてアイツ必死だったよ。
人生初、一世一代の告白をしようとも見事にフラれ、懲りずに告れど相手にもされず…。
女なんか選取り緑だったのに、見向きもせずにお姉さん追いかけてたよ。
その結果、根負けしたのか熱意が伝わったのかは知らないが…デートしてくれるチャンスが巡ってきたんだと。」

