インターン・シップⅡ


そんな忌々しい過去を思い出したからか、深い深いため息を吐き出しながら「でもな……」っと本田医師は漏らした。


「俺なんかに媚び諂う(へつらう)あの親の態度を見てたら『俺って何だろう』って思った。


だけどよくよく思い返してみれば……俺に寄ってくる奴はみんなそんなもんだ。

医者ってだけで女は寄ってくるし、それに加えて望んだわけじゃねぇけど大病院の跡取り。


友達面してる奴も、腕組んで俺を『愛してる』だの『好き』だの言ってる女も…実際のところ腹ん中じゃ何考えてんのかわかんねぇよ。

もう…疑心暗鬼っていうか、人間不信だったのかもな。“利用される前にこっちから利用してやれ”みたいな。

我ながら最低だったと思うけど…俺に色目使って寄ってくる女なんか片っ端から食ってやった。

しかも食ったらすぐポイッだ。2回目なんかあるわけねぇよ」