「そうだ、アイツ……。
朝、出社した俺に『話したいことある』って…。
『時間空けてくれ』って……!」
ハルはそう言って頭を抱えた。
俺には何のことかさっぱりわかんないけど、ハルの中にあった点が線で繋がったようだ。
でもそれによってさらにハルは自分を責めているようだけど…。
そのハルの様子を見ていた本田医師は、やっぱりか…と言う風にため息を吐いた。
「あんたら…お互いを想い合い過ぎてすれ違ってんだよ。
大事なもん、見過ごしてんだよ」
さっきまでの険悪さも、怒りも嘘だったかのように本田医師はそう言った。
そして…。
「伝えれなかったサツキの話……俺がしますよ」
穏やかにそう続けた。

