「その頃のサツキは睡眠薬の効果で眠れるっていうよりかは、『これだけ睡眠薬を飲んだから眠れる』っていう感じで…まさに依存症の域でした。
だから逆に『飲まないと眠れない』って思い込みが植え付けられてて、そう簡単に止めれるもんじゃなかったです。
それに…俺は外科医なんで、はっきり言ってその…メンタル的な部分は専門外で…。
だからサツキが抱える悩みや闇を取除くことはできませんが、それでも睡眠薬の過剰摂取は止めさせたくて薬断ちを決意しました。
ある時は、体を疲れさそうと真夜中にジョギングさせたり…またある時は無理やりジムに入会させたり…。
嫌がるヨウも連れてオールでカラオケに行って声が枯れるまで歌ったり、借りてきた洋画のDVDを明かりを消した部屋で字幕なしで見たり…と色々してみましたが……無理でした。」

