「『心配しないで?千ちゃん。

死にたくて飲んでるわけじゃないから。

ただ…現実が辛いの。
辛くて情けなくてみじめで…。

それでも生きていかなきゃいけないのはもっと辛い。

だからせめて眠っている間ぐらい幸せでいたいじゃない?

でも…夢にもたまに出てくるの。借金取りに追掛け回されたり、前住んでたところの隣りのおばさんが出てきたりね…。

そんなの全部忘れて、深い深い眠りに落ちたいの。だから飲むの。

規定量じゃもう効かなくて…これぐらい飲まなきゃ眠れないんだ。

でもちゃんと起きてるから。大丈夫よ?

それにこ~んな快適空間で自殺なんかしないから安心してよ。

でもそうね…もしホントに死にたくなったら……もっと確実に死ねる方法を選ぶわ。

間違っても一命取り止められて、また生きなきゃいけないような死に方はしない』って…。」