斜めにかぶられたキャップ。
そこからはみでてる少し長めの金に近い明るい髪。
腰で履いたパンツに、鼻にはピアスが光っていて。
失礼だが…頭の先から足の先まで、全身で“イマドキ”を表現する彼を見れば見るほどうちの客ではないと確信した。
じゃぁ…一体誰なんだ??
そのまま聞いてしまいそうになった瞬間、隣りに並ぶハルが「あ、お前…!」と呟いた。
「えっ!?ハルのお客!?」
思わず聞いてしまったその問いに「違ぇよ。こいつは…」と言いかけたが何故か続きを言い淀み、「後で話す」と言うと彼に向き直った。
「何しにきてんだよ?」
そう尋ねると、彼はパンツの後ろのポケットからゴソゴソと何かを取り出した。
よく見るとそれは…名刺??…のような、でもかなりボロボロの紙切れで…。

