“もうここにはいられない”

――――――――…きっとそれしかない。


隠していた事がよりにもよって、俺たちの友達であるカオリにバレてしまって。

もしカオリが仲間内にこの事をバラしてしまったら俺たちに迷惑がかかると思ったサツキちゃんは俺たちの前から姿を消したんだ。


サツキちゃんはそういう子だ。そう結論づけてしまう子だ。


だから『今までありがとう』なんだ。


俺と同じ結論が導き出されたんだろうハルは、机の上に脱いでいたジャケットを掴み部屋を出て行こうとする。


「お、おい!待てよっ!
どこ行くんだよ?」


「アイツんちだよっ!

電話繋がんねぇなら直接会って話すしかねぇだろっ!」


そう言って飛び出そうとするハルを「冷静になれ!」と必死で止める俺。