「ちょっと…!返してよ~!!」
カオリより先に拾ってまたポケットに戻したハルの行動が気に食わないカオリは喚いていた。
「うるせぇな!
誰もお前にやるって言ってねぇだろ?」
「じゃあ誰にあげんのよっ!」
そう突っ込まれて、うっ…!と一瞬返答に困ったハルだけど、直ぐさま「お前に関係ねぇだろ?」と半ば逆ギレ。
一瞬、訪れた沈黙の末…。
「……あっ!!まさか、あの女!?
あの小賢しい“ストリッパー”!?」
そう言放ったカオリの言葉に俺たちはおろか、この場の空気までもが凍ったようだった。
「…何で…??」
俺がやっと出せた言葉はそれだった。
“何でお前がそれを知ってるんだ―――――??”
そう思わずにはいられなかった。

