我が身可愛さで逃げ出した弱い私のことをそんな風に言ってくれることに申し訳なく思った。
申し訳なくて、だけど何から言っていいかわかんなくて。
申し訳なさと感謝と、それから謝罪と。
それらがごちゃまぜになりながら伝えたい思いだけが先走っちゃって、ポロッと口をついて出てきたのは…………
「私………フラれたんです」
……だった。
それだけをポツリ…とこぼして俯く私と、私がこぼした言葉に衝撃を受け固まる蓮司さん。
しばしの沈黙の後、コーヒーを一口飲んで咳払いをしてから…
「…………え~…と。
できたら順を追って話してくれるとありがたいんだけど…?」
動揺を隠しきれてない様子でそう言った。

