低価格でおいしくて。
さらに食後のコーヒーまでついてきて。
言うことなしのランチだった。
…そう。ホント…言うことなしのランチだったのに。
運ばれてきたセットのコーヒーを飲んでいると、蓮司さんが徐に口を開いた。
「今回のことで痛感したけど……うちはサツキちゃんがいないとホント困るよ」
「……??何ですか、急に…。
あ、ちゃんとお昼ご飯用のお財布持ってきたから大丈夫ですよっ!」
そんなゴマをすらなくてもちゃんとお会計しますよ~…って、ふざけて言ったのに。
蓮司さんは至って普通で。
フッ…と一瞬、口元に笑みを作るとブラックコーヒーに口をつけた。
それからソーサーにカチャンとカップを置いてから真面目な顔してまた話し出した。

