「…ごめんなさい」
詳しい経緯をきいて、簡単に仕事を放り投げたあの日の自分がホント情けない…。
不甲斐無いけど…謝るしかできなくて。それなのにそんな私に蓮司さんは…
「サツキちゃんのせいじゃないよ。
サツキちゃんは学生なんだもん。学業を優先させて当たり前だよ」
そんな優しい言葉をかけてくれる。
そんな風に言ってもらえる資格ないのに…。
ホントは…社長と気まずくて、頭の中もグチャグチャで。
フラれた相手とこれからも普通に顔を合わすのが無理で、何より辛くて…。
割切ることも、なかったことにもできない私は……逃げたのに。
“学生”を大義名分にここにこないようにした卑怯者なのに…。
そんな風に言われると……心苦しいよ。

