急いで上がって来てくれたんだろう。

ジュンさんの服には今まで切っていたお客さんの髪の毛がいっぱいついてて、それらをパタパタと払いながら私の向かい側に座るリカさんの横へ座った。


時間を取らしたら悪いと思い、挨拶もそこそこに私はクリーニング屋さんから受取ったドレスをそのままいれた大きな紙袋を机の上に置いた。


「先日はお忙しい中、ありがとうございました。

あれから随分時間が経ってしまってすいません。これ、ちゃんとクリーニングしてありますから」


私の言葉に首をかしげながらその袋の中を確認したジュンさんは、それがあの日のドレスだとわかるとキョトンっした顔をして…


「…これ、サツキちゃんのだよ??」


って、真顔でそう言った。