話題がないことはない。
でも…話すったってあのパーティーの話か社長の話。
私達の共通点はそれだけだ。でも…どっちも話したくない。
できるなら…触れられたくないし、忘れ去りたい過去だ。
何ならリカさんにこのドレスを渡してさっさと帰りたいぐらい。
でも…忙しい中、メイクも髪も綺麗にしてくれたジュンさんにちゃんとお礼を言わなきゃ。
そう思うからここまで来たんだし。
別にリカさんが嫌いなわけじゃない。嫌う理由なんかない。
ただ…羨ましくて。
あのパーティーにカップルとして出席し、当たり前に並んで笑い合えてたリカさんが…うらやましかった。
私とは雲泥の差だ。
だから尚更…リカさんにパーティーの話も社長の話もしたくない。

