目の前に曝された履歴書を前に押黙るしかない私。
何とも重苦しい雰囲気に包まれ、それに耐えかねたのかヨウがギブ!と言わんばかりに口を開いた。
「あ~…じゃぁ…俺は仕事があるから行くわ。
サツキ、鍋にお粥入ってるから食ったら薬飲んでちゃんと寝ろよ?
じゃ、ごゆっくり…」
早口で要件を伝えるとそそくさと部屋を後にするヨウ。
嘘ッ!おいてかないでっ!
一緒に説明してよっ!
逃げるヨウを捕まえようと手を伸ばしたけど、ヨウの方が一足早くて伸ばしたその手は空を切って終わった。
だけどその助けてもらおうと思って出して手は、さらに社長の眉間に深い皺を刻んでしまったようで…。
あれ…?熱のせいで幻覚が…?家の中に…般若がいる…。

