「これって朝焼けか?うわ~、お前いつからここにいんだよ」
「日が昇る前よ。それより、返してよ」
別に見られて困るものはないけど、見られたくないというか、よくわからないけど、とにかく返して欲しい。
「んだよ。そんなに食ってかからなくても…。返すから」
彼は慌てたように私にデジカメを差し出した。
 そんなに私は躍起になっていただろうか?
 返ってきたデジカメをそっと大事に抱きしめる。
 これは私の大事な思い出で、私が唯一誇れて残せるものだから…。
「悪かったな。そんなに大切なものだって、知らなかったから…」
私はどんな顔をしてたんだろう?
 あんな意地悪な彼の顔を、こんなに落ち込ませるなんて。
 いい気味ね。これでおあいこだわ。
 なんてことを、彼を見て密かに思っていたりなんかしてた。
 ふと、思い出したことがあった。
「あんた、困ってたみたいだったけど…」
「そうなんだよ!ちょっと困ってんだよ!」
彼も単細胞だな。なんて心の中で笑った。
 どうやら、私は物事を決めつける癖があるらしい。
 思い出話って、新発見が多いのね。