「・・・うん。順調だね。」 「そうですか。」 「それにしても・・・ 久しぶりだね。」 「半年ぶりですからね。」 「もう少し遊びに来なさい。」 「イヤですよ。 仕事も忙しいし、 病院に遊びに来るなんて。」 「ハハッ!そうだね。」 そういって笑うのはセンセーだ。 その目の前で不機嫌そうに シャツのボタンを止めるのは俺。 美音が空に旅立ってから 約5年という月日が流れた。 現在、4月上旬。 診察室の窓から 満開の桜がのぞいていた。