共に行く者

「大丈夫、女性組も買ってたから。…もちろん、利実ちゃん抜きでね」

「ははっ、そりゃいいや」

女性組も買っていたとなれば、言い訳もつく。

買っているのを見て、自分達も欲しくなったのだと言えば、深くは追求してこないだろう。

「はい、和城の分」

「ありがとう」

オレは素直に受け取って、自分のケータイにつけた。

それを見て、孝一も自分のケータイ電話にストラップをつけた。

「おそろいだね」

「だな。あっ、いくらだった?」

「いいよ。コレは僕が和城に渡したかった物だから」

「そうか? んじゃ、後でオレが買った土産のまんじゅう、やるよ」

「ありがとう。…でも食べられないんだ」

「うん? まんじゅう嫌いだったけ?」

「いや、甘い物は好きだったよ」

孝一はストラップのついたケータイを、大事そうに見つめ、ポケットにしまった。

「でも食べられなくなってしまったんだ。ゴメンね」

「いや、いいよ。じゃあ旅行が終わったら、どっかに出かけようぜ? オレの奢りで遊ぶんだ。二人だけで遊びに行こう」

「…ゴメン」

でも孝一は笑顔で謝ってきた。

何だろう?

何かがおかしい。

「孝一?」