それに気付き始めたのは、利実がグループに加わって一年後だった。

オレ達は高校3年生になり、いろいろと忙しくなっていった。

そのせいで、利実に構ってやる時間が減っていった。

利実はほとんどの時間をオレ達と過ごしていたせいで、友達と呼べるものはほとんどいなかった。

クラスで孤立することを嫌がった利実は、彼氏を作った。

オレ達は利実に彼氏が出来たことを少し寂しく思いながらも、喜んだ。

だがその彼氏が少しでも利実に構わなくなると、すぐに別れて、すぐに次の彼氏を作った。

それもしょうがないかと、オレ達は思った。

だけどその繰り返しを続けているうちに、利実は相手を選らばなくなっていった。

彼女がいる男子生徒や、果ては教師にまで声をかけるようになったのだ。

おかげで利実の評判は見る見るうちに落ちていき、さすがにオレ達も腰を上げなくてはならなくなった。

困った生徒達や先生達から言われたというのもある。

だけどやっぱり、利実に寂しい思いをさせたのはオレ達が原因だろうと考えたからだ。

休日、利実を呼び出し、グループ全員で話し合いをした。

やっぱり利実は寂しかったらしい。