共に行く者

声に重みを加えると、利実の肩がびくっと震えた。

「結局、オレへの打ち明けられない思いの果ての行動だとしてもだ。仲間をも巻き込む必要はなかっただろう?」

「でもっ!」

「でもじゃない! お前はオレの大事なもんを傷付けた! 謝ったって許されるもんじゃないと、いい加減分かれ!」

「じゃああなたは分かっているの? 振り向いてくれないあなたをずっと思い続けたアタシの気持ちが!」

「それは理解したくないし、しようとも思わない」

「ヒドイ…」

「ああ、オレはヒドイ男なんだ。だからオレのことなんざすぐに忘れて、お前を大事にしてくれる男を見つけろよ」

「くっ…!」

利実の目から、次々と涙が溢れ出す。

でもオレはその様子を見ているだけだ。

利実は手で何度も涙を拭っていたが、突如オレを睨み付けた。

「…恨んでやる! アンタ達をずっと、永久に恨んでやる!」

「どうぞ、好きに恨むといい。だが、恨むのはオレ1人にしとけ。アイツらは関係ないだろう」

「こんな時にカッコつけるなんて、サイテーね」

「んなつもりはねーよ。オレは自分よりも、アイツらが大事なだけだ。お前よりも、な」