「……っ」


その事実が悲しくて。


あたしの隣に涼がいないことが、すごく悲しくて。


あたしはソファから立ち上がり、外の景色を眺めるフリをして、目尻に浮かんだ涙をぬぐった。


楽しそうにおしゃべりするみんなに……。


……ひとりだけ背を向けて。