かけがえのないキミへ



朝起きると案の定、昨日の雲行きが怪しかったのは雨雲のせいだった。
外はびしょびしょに濡れている。
街に咲く沢山の傘。
ピンク、黄色、水色、オレンジ。

だけど俺の傘は色がないビニール傘。


俺はテレビのリモコンを手に取り、テレビをつけた。
テレビに映し出された映像は、昨日と同様、作り笑いをしたニュースキャスターだった。


『またお前かよ』


俺は鼻で笑い、朝食を作る。
まぁインスタントが主だけど。


雨の音が強くなる。
今の季節は春なのに、もう梅雨なのか?と思わせるくらいの雨だった。


空が、泣いているようで。
まるで俺のように泣き喚いているようで…


俺の分まで泣いてくれよ─……



『あっつ!』


空に気を取られていたせいか、注いでいたコーヒーがカップから溢れ出し、ポタポタと下へ落ちていく。


…黒い涙のようだ。


俺はまた後悔をする…