かけがえのないキミへ



『あ、そうそう!聞いてくれよ!昨日、好きな子と喋ったんだ!』



『へぇ…どんな感じだった?』


俺は相変わらず携帯をいじるだけで、竜也の話を聞き流していた。


『まじいい子!メールとかもしてて、やばいよ?可愛すぎる!!』



興奮して話す竜也を見ていると羨ましいと思う。竜也が俺のことを羨ましいと言ったように、俺は竜也を羨ましがる。


受信ボックスを開いても、出てくる名前は女ばっかりで。

つまらない携帯だと、思ってしまう。

でもその中でも、輝く文字がある。
ひとつだけ──…綾音。

綾音という文字だけは、キラキラと輝いていた。

今日もキミはいるかな?シャボン玉を飛ばしてるかな?

1日の楽しみはこれだけ。ただ、キミを想うことだけ。


『俺、絶対落とすから!』


隣では竜也がなにかを決心をしていた。