かけがえのないキミへ



『だろ?俺、一目惚れだったんだ』


遥斗さんが言葉を加える。
それと同時に時計台から陽気な音楽が奏で始めた。

長い針が12を差している。


『俺カッコ良くないですよ…?あ…旅行行かなくて大丈夫なんですか?』


遥斗さんと会って30分以上経っている。
雅くんが痺れを切らして、地面に座り込んでいた。


『俺早くじぃちゃんとばぁちゃんに会いたいー!』


仕舞には駄々をこねていた。
光輝さんのズボンを引っ張る雅くん。


『雅!やめな!…こいつ本当お爺ちゃん子でさ…』


光輝さんが雅くんの手を離しながら、困った顔を見せる。


『パパ、行こっか。電車もそろそろ来るし』


百合さんがひょいっと雅くんを抱いて、駅に向かって行った。
光輝さんは俺に『またね』と言って、百合さんの後を追う。


『じゃあ遥斗、あたしたちも行こっか?』