かけがえのないキミへ



可愛らしい子供の声。
後ろを振り返ると、つばさの黒色の帽子をかぶって、笑顔で走ってくる人の男の子。


手にはビニール鞄を持って、近づくにつれ、その鞄の中身がはっきりと分かってくる。


海…に行くんだ。


『雅<みやび>ー!!』


遥斗さんはその男の子に向かって名前を呼んだ。男の子は小さな足を一生懸命動かして、遥斗さんのいる場所へと辿り着く。


額から汗を流し、遥斗さんに飛び込む男の子。
小麦色の肌に、真っ赤な唇。
そして魅力的な大きな瞳。
茶色い綺麗な髪の毛。

とても可愛い男の子だ。

もしかして…遥斗さんの子供?なんて一人でハラハラしていた。


『雅、光輝さんと百合さんは?』


『パパとママならあっち!遅いから置いてきたー』


小さな指で道の向こう側を差す。
そこには、この男の子の両親がいた。

そしてこちらに歩いてくる。