はっきり告げたら、
諦めてくれるかな?
なんて小さな希望をしたが、無理だった。
『知ってるよ!だけどこれがあたしの役目だから』
『役目?なにそれ?』
樹里はヤバいという表情を見せた。
樹里の言っている意味がよく掴めない。
『とにかく!あたしは怜を見続けるわ。用はそれだけ。じゃあね』
俺は口をポカーンと開けたまま、風のように去っていく樹里を見ていた。
樹里はカバンを回しながら、洋楽を歌いながら俺の前から姿を消した。
『…意味不明』
樹里の背中に向かって投げかけた言葉は、当然樹里には聞こえていない。
首を傾げて、俺は樹里と反対の道に進んだ。
役目?どういうこと?
この意味を知るのは、
だいぶ後だった─…
近くにあった自動販売機で、ミルクティーを買って、時計台の近くにあるベンチに座る。
綾音がいつもここでシャボン玉をしていた場所。
初めて綾音と話した場所。

