かけがえのないキミへ



頼むから、来るな!!


金色の髪の毛を揺らしながら、手を振って俺の方に近づいてくる。


『怜の知り合い?』


『あぁ、だけど今一番会いたくないヤツだ』


俺は後ろに下がって向きを変えた。
そして来た道に戻り、走る。
そこに竜也を一人、置き去りにして。


『怜!?』


『わりぃ、今日学校休む!!』


今日こそは学校に行こうって思っていたのに。
また梨花に怒られてしまう。
後ろを振り返ると、笑顔のまま、樹里が俺を追いかけてくる。


朝っぱらからめんどくさいな。


俺は溜め息を漏らして、細い通路に隠れた。


『怜ー?どこー?』


息を潜めて、見つからないように願った。
樹里は辺りを見渡して、俺を捜している。

なんでそんなしつこいんだよ。
昨日《好きな人いる》って言ったじゃねぇか。
それに好きな人が綾音だって知ってんだろ?


だから付きまとうのはやめてよ。