かけがえのないキミへ



鏡など、そんなものを使わなくたって、今の俺の姿が十分にわかる。


竜也へと申し訳ない気持ちで押しつぶされそうになっていた。

竜也は俺の隣で楽しそうに話している。
俺はそんな竜也に向かって気になることを聞いた。


『そういえば、綾音と出来たか?最後まで』


竜也の顔が次第に曇っていく。
俺の肩から手を外して、空を見上げた。


『だめだった!!あやちゃん、怖がってたし、それに…』


『それに?』


『なんでもねぇよ!次は失敗しねぇから!』


あどけない笑顔を見せる竜也。
だけどその裏に、竜也は何かを隠していた。

俺はこの時、気付くことが出来なかったんだ。


《綾音と竜也は終わっていない》
このことを聞いて、俺の心の中が輝くのを感じた。
綾音はまだ綺麗なまま。

俺にはチャンスがまだある。


俺は竜也のあとを追いかけて行った。
眩しく輝く太陽に吸い込まれるように。