かけがえのないキミへ



竜也は表情を固まらせて、俺を見上げた。
竜也と目が合う。
いきなりで、意味が分からねぇよな。


『…だから一緒に住んでるんだ。親父が勝手に決めてさ…』


言葉を付け足して、苦笑いをした。
その言葉に安心した竜也は、表情を緩ませ、息を漏らした。


『そうだったんだ…良かったぁ~…なんかすげぇ安心した!!俺、疑ってたし。怜とあやちゃんが隠れて付き合ってるんじゃないかって!』


いつもと同じ竜也に戻って、俺の肩に手を置いてきた。


『怜は裏切ったりしねぇもんな!!それに安田だっているし!』



竜也の言葉が俺の胸に刺さっていく。


《裏切ったりしない》


この言葉が、とても苦しかった。
とても切なかった。


ごめん、竜也。
俺は竜也をもう裏切っている。


『学校行こうぜ!』


竜也は俺に肩を回したまま、元気よく歩いていく。
この時、俺の表情は、暗かっただろう。