俺だけかな?
こうやって思うのは。


ぼんやりとテレビを見ていたら、誰かに肩を叩かれた。
この部屋には綾音しかいないから、綾音に違いないけれど。


『ん?出来た?』


どうやら朝食が出来たようだ。
テーブルには、淡い黄色をしたスクランブルエッグに、ベーコン、色とりどりのサラダ、そしてスープとトースト。

綾音が美味しそうな料理に変えてくれた。
心のどこかでホッとしていた。


『いただきます』


やっぱり無理しない方がいいんだな、と思いながら、少し甘いスクランブルエッグを口に運んだ。

やっぱり、綾音が作った料理を食べた方が幸せだ。


幸せで溢れていたこの瞬間が、直に色を変える。ピンク色から、黒色へ。
その時間が刻々と近づいてくる。


目の前で俺に見せてくれる綾音の笑顔を、
俺はいつまで見ていられるだろう?