かけがえのないキミへ



さっき見たときはそんな高くない気がしたが、今はすごく高く感じる。


『ほら、みなさん教室に戻りなさい!!』


どうやら、A組には沢山の生徒たちが集まっていたらしく、先生は生徒たちを追い返すのに必死だった。
そのおかげで、先生は俺に気がついていない。


『怖くないよ、ほら…』


突如、俺の体がふわりと浮いた。


『え…?』


近くなる緑色の芝生。
遠くなる綾音と彼女。


俺、落ちてる?
違う、違う。
彼女が俺の背中を押したんだ。



『まじかよ…』


心の準備が出来てないのに、背中を押すなよ。
あいつ、やっぱりなにもの?


そう考えながら、俺は落ちていった。
着地しなくては…
俺は足を出して、地面についた。
じーんと痛む足。
だけどなんとか無事だった。
この芝生のおかげかな。

教室を見上げると、心配する様子を見せた綾音と、怪しく笑う彼女がいた。