ほら、大事なものでしょ?
綾音は俺の手から携帯を取って、胸の前でぎょっと握った。
『忘れてあったからさ。これないと生活出来ないだろ?』
こう言って笑うと、綾音は机に広げられていたノートに、文字を書いていった。
《怜、本当にありがとう。すごく嬉しい》
書き終わったあと、俺に白い歯を見せて、可愛く笑った。
『良かった、持ってきて』
綾音はいつまでも笑っていた。
ノートに書かれた文字を、綾音の口から聞きたいけれど、そんなのどうだっていい。
綾音の笑顔が見れたから。
『なんですか?!この騒ぎは!』
すると遠くの方から、女の先生らしき人の声が聞こえてくる。
『やべぇ!見つかる!』
『ここから飛び降りればいいじゃない』
俺にこう提案した人。
先ほどのブロンドの外国人だ。
『お前…』
『あたしの教室ここだもん』

