かけがえのないキミへ



『なんで!?』
『きゃーかっこいい!!』


俺が来るまでは静かだった教室が、このような言葉でたちまち騒がしくなった。


俺はそんな言葉を聞き流し、息を整えながら、綾音を捜した。


『見つけた…』


見つけた、綾音を。
南側の、一番前の席。
綾音は下を向いて、なにかをしていた。


やっぱりキミは俺には興味がないの…?


俺は教室の中へ入っていき、机を避けながら、綾音の場所に向かった。

教室は静かになって、視線が俺へと集中する。


綾音の肩を掴んで、綾音を振り向かせた。



『綾音…』


綾音はゆっくりと振り返って、俺を見た瞬間、大きく目を見開いて、見つめた。
口に手を当てて、指をさす。


『はは、驚いた?』


俺は綾音の反応を見て笑ってしまう。
綾音は何度も首を振って、驚いた表情を見せた。

『…ちょっと、ね?』


俺は握りしめていた携帯を、綾音の前に差し出した。