何回謝っても俺は許されないだろう。
この世界に…
なぜならば、俺は罪を犯しすぎたから。
もう、取り返しがつかないだろう。
『怜…なんでそんな悲しい顔するの…?』
突然梨花が俺の頬を触り、こう言った。
俺は綾音のことを考えながら、梨花を見つめていた。
だから悲しい顔になっていたのだろう。
『何でもないよ…』
俺ははぐらかして、梨花に体を密着させた。
人肌が今の俺には心地よくて、柔らかくて、俺は何度も何度も梨花を犯した。
今、綾音も梨花のようになっているかもしれない。
梨花の相手は俺で、
綾音の相手は竜也─…
考えたくもない。
綾音を奪わないで…
お願いだから─…
空には大きな月が俺達を照らしていて、まるで俺の罪を余計重くさせるよう。
今は月明かりなんていらないよ。
真っ暗になればいいんだ。
何もかも。

