かけがえのないキミへ



接吻をすることを昔はあんなに拒んでいたのに、今は平気になっていた。

俺と梨花の舌が何度も何度も絡まる。
息が出来ないくらい接吻を繰り返して、俺は梨花をお姫様抱っこして、大きな黄色のシーツの上に梨花を寝かせた。


梨花の上になる俺。
梨花は真っ直ぐ俺を見つめて、ぎゅっと目を閉じた。


『…優しくなんかしないよ…』


今日は優しくなんかしない。
忘れたいから、
忘れて欲しいから…


俺は梨花の体に愛撫をする。
その度梨花は声を上げて俺を求めてくる。


もう梨花の体は見飽きたと思っていても、俺は罪を犯すばかり。


薄暗い部屋のベッドの上で、体をさらけ出している男と女。
俺から流れ落ちる汗が月に反射をする。


また芽生える、罪を犯す自分。

下にいるのが綾音だったらいいのに─…


俺は梨花を綾音だと見立てて、梨花の顔を包み込んだ。
そして俺は小さくつぶやいてから梨花にもう一度キスをしたんだ…



『─…ごめん…』