かけがえのないキミへ



ふと目が覚め、辺りを見渡すとカーテンから光が射し込んでいた。
カーテンを覗くと、眩しいくらい輝いている太陽が、まるで『こんにちは』と言っているようだった。

今何時だと思いリビングにあるシンプルな置き時計を見ると、昼の12時を回っていた。

こんなにも寝てたんだ…
こう自分の熟睡さに関心をする。


『腹減ったぁ…』


朝から何も食べていない腹の中が大きな音を出して訴えている。


何か食べるものはないかと思い、キッチンに行くと、生ゴミのところに今朝、綾音が落とした卵の無残な姿があった。

ふと、横を見ると、ラップに包まれたおにぎりが二個。
形はバラバラだけど、何故か温かみを感じる。
そこには手紙が一枚添えられていて、こう書いてあった。


《怜へ
朝ご飯作ってあげられなかったから、これで許してね 綾音》