かけがえのないキミへ



キミは、綾音?
嘘だろ…?
嘘だろ…

なんで綾音が俺の部屋に…

息がうまくできない。
鼓動が速くて、戸惑う俺。
綾音は俺の存在に気がついていないのかな?


俺はもう一度綾音の名前を呼んだ。


『綾音…?』


すると綾音はゆっくりとこちらを振り向き、眩しいくらいの笑顔を向けた。


やっぱり、キミだったんだ─…


『な…なんで俺の部屋に?』


焦りを隠せないでいるせいか呂律がうまく回らない。


すると綾音は近くにあった水性マジックを手に取り、昨日届いたばかりのホワイトボードに文字を書いていった。


そこに書いた文字は、また俺を驚かせた。


《これからよろしくね》

これってどういう意味?
昨日の親父とのやりとりを思い出す。
再婚…ホワイトボード…そして、俺の妹…


憧れだったキミが、今日から俺の妹となった─…



キミは俺の妹─…


俺の妹─…綾音─…