かけがえのないキミへ



俺はゆっくりと目を開け、辺りを見渡した。
昨夜、あれだけ暗かった空も、今じゃ明るすぎるぐらい輝いていて…

だけどなんだろう?
この重さ。腹のあたりに重さが感じられる。
俺は重いと感じる腹を見た。
腹には、竜也らしき足が片方だけのっていて、横を見ると、幸せそうな寝顔を向けている竜也の姿があった。


『重いから…』


俺は竜也の足を退かして、大きく背伸びをした。

『疲れた…』


恋愛について語っていたら、いつの間にか朝になっていた。
二人とも寝てしまったらしい。


横で寝ている竜也を起こし、俺は立ち上がった。

『俺、帰らなねぇと…』


無造作に脱ぎ捨てられていた制服の中から携帯を取り出し、時間を見ると、俺の目が点になった。
携帯に映し出されている数字たちは、9:40をさしていた。


『は?!』


『ん…え?朝?』