確かに、俺も前は傷ついたけど、きっとなにかあるはずだ。
綾音に、なにかが。
『またそのうち話してくれんだろ?』
俺はもう一度クッションを掴み、何度も何度も、クッションを殴った。
悔しさをクッションにぶつけるように。
『話し聞いてくれてありがとな』
『お前が礼言うとか気味がわりぃよ』
鼻で笑う俺。
竜也は頬を赤く染まらせ、照れていた。
それから俺たちは、朝方まで恋愛について語った。
初恋のこととか、中学生の頃の恋愛とか、最近の恋愛まで。
話は尽きることなく、俺たちは夢中に話していた。
恋愛の本当の意味を、
俺はあの人に会うまで知らなかったんだ。
恋愛は、楽しいことばかりだと思っていた。
だけどそれは勘違いで、恋愛の本当の意味は…
とても深い意味だった…
夜が明け、朝となる。
ブルーのカーテンの隙間から太陽の光が射し込んでいた。

