「そんなあからさまに逸らさなくても 冗談だよ!冗談っ」 「もう!隆介のバカ!」 「あゆ…どうした? ごめんって」 急に妊婦さんは 情緒不安定になる時があるんだ。 悲しくないのに泣きたくなったり 些細な事で苛々さたり… 隆介が不安そうに覗き込んだ。 「冗談だよっ!」 そう言って今度は隆介をいじめた。 隆介が反論してこないから ずっと見つめると 『ちゅっ』 「ばぁか! お前の冗談に引っかかるかよ」 そう言って手を引いて 小百合と秀君が待っている 部屋に向かった。