「仁科、七瀬。そろそろ学校行かないと遅刻じゃないか?」
うわっ、もうこんな時間!
森野係長に言われなかったら、気付かなかったよー。
えーっと、陸はー……
「あれ?」
いない…。
もしや……
「あのぉ…依子さん。陸はどこにー…」
「あ、陸くんなら10分くらい前に出て行ったわよ?」
やっぱり!
置いてかれたー!!
あとでシメるっ!!
「失礼します!」
私は依子さんにそう言って、一目散に走って行った。
「若いわねぇ…」
「依子ちゃん、オバサンだねー」
「都築さん、殴られたいんですか?」
「滅相もございません…。」