S.S.P.  学校警護係

「じゃあ行くか。」
「うん。」
しばらく歩き学校が見えてくると、
私の心臓が次第に早く脈打ち出した。
無意識のうちに足がすくんでしまい、
立ち止まっていると、
私の前を歩いていた陸が、
私の足音が消えたことに気付いたのか、
私の方に引き返してくれた。
「おい妃、大丈夫か?」
心配そうに見つめる陸の瞳。
吸い込まれそう…。
そんな陸の瞳に、私の心臓はさらにドキドキと音を鳴らす。
「陸、私……こわいよ…。」
私が力無く俯きながら声を振り絞ると、不意に私の体が温もりに包まれた。
「大丈夫だから。俺がいるから。」
陸の優しい言葉に涙が出そうになったが、
ぐっとこらえて、
「ありがとう。」
と言った。
すると、陸は安心したように笑って私の手を握り、歩き出した。
「陸?手、つながなくてもいいよ?」
私がその手を離そうとすると、
逆に強い力で握り直されてしまった。
「だめ。また妃が立ち止まらないように俺が手を引くんだよ。」
そう言ってまた前を向いて歩きだす陸。
その言葉に、私は涙をこぼさずにはいられなかった。
私が泣いていることに気付いていたのか、
陸は前を向いたまま黙って歩いてくれた。