「都築さん!」
私がそう言った時には、都築さんは依子さんに頭を殴られていた。
「痛ー!依子ちゃーん、手加減してよー。」
「セクハラはやめてくださいっていつも言ってるじゃないですか。」
依子さんの背後に炎が見える…。
「はい、依子ちゃん。資料だよ。」
都築さんは頭を押さえながら、依子さんに紙の束を渡した。
すごい量…。
「ありがとうございます。」
依子さんはそう言って席に座り、
一枚一枚丁寧に目を通している。
「都築さん、あれ、何の資料ですか?」
陸が聞いた。
「『ジョーカー』のだよ。」
私と陸は、その名前を聞いた瞬間、
ゴクリと唾を飲んだ。
「君たちにも関わってくるから言うけど、『ジョーカー』が動き出したんだ。」
えっ?!
私達が東信人を調べている間に?!
「どういうことですか?」
陸は、さっきよりも真剣な声で聞く。