慌てて教室を出て行く恭平君の後ろ姿を見てから、栞は私に向き合った。 「陽菜」 「うん?」 「…素直になりなよー?」 「え?」 私はいつも素直なつもりですけど…? 「椿谷… やっぱり好きなんでしょ?」 「……………」 「陽菜」 「……そうなのかな…」 成弥と離れたと思うと… 涙が出そうになるよ? 仲良く話す女の子を見ると、やきもち焼いちゃうし… 成弥のことを考えてばかりで… さっきみたいに胸が痛むのは…… 私が成弥を好きだから…? ,