カンナが俺を見てる。

寂しく、厳しい目。

俺がカンナをあんな風に変えて
しまったんだろう。

前は、もっと優しい顔をして
いたんだ。

優しく、穏やかで、少なくとも
俺はそんなカンナの笑顔に救わ
れていた。

俺には責任がある。

俺に打ち明けるまで、カンナは
ひとりで不安だっただろう。

それも、別れた男の子どもを
宿すなんて。


何も知らずに、俺はぬくぬくと
心和との幸せすぎる時間を、
過ごしてきたんだから。