優しい嘘−最低な兄に恋して−【上】

どうしょう?


かなり怒ってるっぽいんだけど。



あたしは小走りで大雅に近づいていった。






「雪穂、俺を無視するとはいい度胸だな」






ぐいっとあたしの腕を掴んでマンションの中に入っていく大雅。


おもいっきり腕を掴まれていて痛いよ。






「大雅!痛いよ!離して」


「黙れ」






…………………えっ?



………………なに?