優しい嘘−最低な兄に恋して−【上】

「送ってくれてほんとにありがとう。ユウマくんも気をつけて帰ってね」


「あのさ、雪穂ちゃん」


「ん?」


「携帯の番号教えてくれないかな?」


「うん、いいよ」






あたしは携帯を取り出すと大雅から鬼のような数の着信が入っていた。


カラオケの音で気づかなかったんだ。
怒られなかったらいいけど。




あたしはユウマくんと赤外線で交換していた。





「雪穂」