優しい嘘−最低な兄に恋して−【上】

あたしは携帯を取り出し大雅に電話をかけた。





『はい』


「大雅?あたし」


『分かってる。なんだ?』


「今日遅くなるから」





連絡すれば遅くなってもいいよね。


前は連絡しなかったから怒られたんだろうし。






『はぁ?なんで遅くなる?』


「今から友だちとカラオケ行くから」


『駄目だ』


「もう約束しちゃったし。じゃあね」





あたしは勢いよく電話を切ってやった。