優しい嘘−最低な兄に恋して−【上】

ギュッと抱きしめる大雅に、あたしは手に持っていた鞄を地面に落として背中に手を回した。







「もういいでしょ?」






無言のままずっと抱き合ってたあたしたちにアヤさんは冷たく言い放った。



それにあたしはアヤさんがいる事を思い出して、恥ずかしくなって大雅から離れた。





「続きは家でしなさいよ」


「あ?なんでお前は雪穂を連れて来てんだよ?」





やっぱり、あたしに来てほしくなかったよね。