優しい嘘−最低な兄に恋して−【上】

ケイコはベッドから起き上がってタバコに火をつけた。



女らしい細いタバコ。



タバコを吸う女は嫌いで俺の前では吸うなと言ってんのに、言うことを聞きやしねぇ。



まあ、当たり前か。


ただの体だけの男には従うわけはねぇよな。





「……男と別れたの」





いつもと違ってたのはそれでか。



まあ、男と別れたからって俺には関係ねぇしな。




「何か言ってくれないの?」