優しい嘘−最低な兄に恋して−【上】

大雅はぎゅっと力を込めて抱きしめてるけど、決して乱暴なわけじゃない。




「…………大雅?」


「…………」





名前を呼んでも返事を返してくれない。


やっぱり、怒ってるのかな?



あたしの胸の上に回されてる大雅の腕。


あたしはその腕を掴んで離そうとしたけど、力が入っていて剥がせなかった。